BSC工法とは?
バイオロジカル・ソイルクラスト(Biological Soil Crust:BSC)とは、糸状菌類、土壌藻類、地衣類および苔などが地表面の土粒子や土塊を絡めて形成するシート状の土壌微生物のコロニーのことです。
BSCは植生遷移の最初に見られる自然現象ですが、表面侵食を防止する効果を有します。BSCを早期形成させることで、自然現象を活用した侵食対策になり、自然侵入による植生形成を促進します。
BSC工法の4つの特徴
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簡単で法面整形なしでも施工可能
一般的な種子吹付工における緑化用種子を、土壌藻類資材(BSC-1)に帰るだけで、施工に伴う改変も少ない技術です。従来のシート・マット型や基材吹付型の自然植生侵入工等と違って、法面整形工なしでも施工可能です。
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周辺環境に応じた植生遷移を促進
BSCにより侵食が防止され、周辺から飛来する種子等が活着しやすくなり、植生遷移がより早くスタートします。周辺の植生や土壌環境、気候条件に応じた自然な植生形成を促進します。
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在来種等への環境影響を回避
日本を含め世界中に存在し、BSCを形成している土壌藻類を利用しており、どこでも在来種となります。また、雌雄が無く、無性生殖で増えるため、遺伝子攪乱等の心配もありません。
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リルからの侵食の拡大を防止
従来の被覆対策の場合、流水が集まるリル部(筋)から資材が剥離・流失して侵食が拡大していきますが、本工法の場合、水が流れるリル部(凹部)にBSCがよく発達して侵食を抑えるため、リル部の拡大を防止します。